専門性を追求したキャリア育成制度の実情

最近では、各企業において管理職のキャリアを歩む進路だけではなく、専門性に応じてキャリアを積んでいくことのできる制度などが用意されているケースが増えてきました。例えば、各種専門性に応じたコミュニティーが形成され、そのコミュニティーにおいて資格審査試験が実施されたり、そこで認定されればスペシャリストとして昇格できたりというような制度です。

このような動きは仕事が細分化されている社会の動向に比例しているのかもしれませんが、実は問題点もあるようです。例えば、スペシャリストとして認定されるためには、コミュニティー内の人から推薦されたり、認められなければならないといった規定がある場合があり、コネがなければスペシャリストになれないというケースです。そのため、本来ならスキルと実績があればスムーズに昇格できていたのに、専門職に昇格するためにはコミュニティーの承認が必要となってしまったがために、それが得られないと能力を発揮する場がないという話もあるようです。

従って、専門性に応じたキャリアを形成していくためには、企業側のコミュニティーのあり方や、体制づくりも重要になってくるのです。ITや医療、福祉業界など、スキルやキャリアが強みなる分野では、他の業界に比べるとこのコミュニティーやキャリア構築の仕組みにおいてはクリアなので、専門性を極めてステップアップを図りたい方はぜひ注目してみると良いかもしれません。